2009-01-01から1年間の記事一覧

このブログの一年間を振り返る(2009)

先日、ゼロ年代と2009年のアニメを振り返る記事を書いたので、それとは別に、2009年のこのブログを振り返る記事をちょっと書いてみたい。 というよりも、そもそも、このブログは5年近く続けているわけだが、もうそろそろ、ある種の限界に近づいているという…

2009年のベストアニメ作品――ゼロ年代の終わりにアニメの未来について考えてみる

アニメ(ブロガー・twitterアニメクラスタたち)の饗宴、あるいは2009年アニメベスト/ワーストのススメ(反=アニメ批評) http://d.hatena.ne.jp/ill_critique/20091220/1261317064 アニメブログ年末合同企画(EPISODE ZERO) http://d.hatena.ne.jp/episo…

杉崎鍵のハーレム幻想――『生徒会の一存』のOPアニメについて

アニメ『生徒会の一存』のオープニングを見ていてちょっと気になるところがあったので、それについて少しだけ書いておきたい。 『生徒会の一存』のOPの最後のほうに、この作品のヒロインたちの姿が次々に変化するシーンがある。ヒロインたちの名前を上げれば…

『乃木坂春香の秘密』におけるキャラの問題――お嬢様でもありドジっ娘でもある

僕は、このブログで、これまで主として物語という観点からアニメ作品を問題にしてきた。しかし、当然のことながら、物語という観点からだけで、アニメ作品について語るのは不十分であるし、物語という観点だけからアニメを見ていると、ある種の空疎さにぶつ…

11月の前半に見たアニメの感想

ちょうど一ヶ月くらい前からtwitterを始めたわけだが、twitterにはライフログ的な機能もあるので、その記録を見ながら、ここ一ヶ月くらいに見たアニメの感想を、取り留めもなくダラダラと書いてみたい。 押井守の劇場版『パトレイバー』の1と2を見てみた。1…

歌うことと闘うこと――『マクロスF』に見出される女性的な立場と男性的な立場

現在『マクロスF』の劇場版が公開されているわけだが、僕も今度この作品を見に行く予定なので、その予習を兼ねる形で、この作品についてちょっと書いてみたい。いったいこの作品でどのようなことが問題になっていたのかということを自分なりの視点で少しまと…

ちょっとした近況

来月の頭に知り合いのIさんと、「電撃文庫で振り返るゼロ年代」と題して、ゼロ年代のサブカルチャーについて話し合う機会を設けたので、現在その準備をしているところ。 「電撃文庫で振り返る」と言っても、僕はラノベそれ自体はほとんど読んでいないので、…

人間関係を斜めから見る猫の視点――アニメ『にゃんこい!』について(その2)

『にゃんこい!』のアニメを見ながら考えたことをちょっと書いてみたい。 ちょっと前に、僕は、この作品について、猫たちのネットワークは人間たちのネットワークの外部に位置するものではないかというようなことを書いたが、よくよく考えてみると、これほど…

Twitterを始めてみた

何となく新しい刺激がほしくて始めてみた。今はまだ試行錯誤の段階だけど、個人的にはそこそこ良い感じ。 何というか、mixiとかと比べると、他人との関係性が非常に緩そうなので、そういう緩い繋がりというのは、ひきこもり体質の僕としてはなかなか悪くない…

情熱を失いつつある

アニメを見る情熱をちょっと失ってきたところがあるので、情熱を回復させるためにも、録画したアニメの消化を極端に減らそうと現在画策中。 そういうわけで、今期の新作アニメチェックも極力控えようと思っている。 ちなみに今期のアニメでは、『君に届け』…

父のいない世界でゲームを続けるということ――アニメ『少年突破バシン』の感想

『バトルスピリッツ 少年突破バシン』を最後まで見てみた。 アニメ『少年突破バシン』の緩くて狭い世界 http://d.hatena.ne.jp/ashizu/20090609#1244550232 『バシン』については以前、上記のような記事を書いたが、この作品に対する基本的な考えはあまり変…

2009年秋の新作アニメ感想(その4)――『そらのおとしもの』

これは、なかなか好感の持てる作品だった。 何というか、作品の落ち着きどころというか、あるギャグ作品がいったいどこまで日常から離れ、どこで再び日常に戻ってくるのか、といったような兼ね合いが非常に上手く取れている作品だと思った。 話が進むに連れ…

2009年秋の新作アニメ感想(その3)――『ミラクルトレイン』

まず、駅の擬人化という発想がよく分からなかった。よく分からないというか、駅を擬人化することがひとつの作品をどういう方向に導いていくのか、という方向性がよく見えなかった。 しかし、これは、よく分からなかったから面白くなかったということではなく…

アニメのプリミティブな想像力――ルネ・ラルーの『ファンタスティック・プラネット』について

ルネ・ラルーのアニメをちゃんと見るのはこれが初めてだったが、あの独特の世界観にはやはり強く惹きつけられた。 アニメの世界は、基本的に、想像の世界だろうから、どこでどのような点で、現実から距離を取っているのか、というところが大きな注目点になる…

ゼロ年代末の一風景――『亡念のザムド』の感想

『亡念のザムド』を最後まで見たので、ちょっと感想を書いておきたい。 今年は『エウレカセブン』の劇場版も見たので、『エウレカ』と『ザムド』についていろいろと考えた年であったが、しかし、僕としてはこの路線はちょっといただけなかった。いったいどう…

2009年秋の新作アニメ感想(その2)――『生徒会の一存』と『とある科学の超電磁砲』

『生徒会の一存』。 まず思ったのは、よくこんな作品をアニメ化しようと思ったなあ、ということだ。生徒会室の中でただただお喋りしているだけの作品。第1話では、「ドラマCDで十分」とか「メディアの違いを理解せよ」といった自嘲気味な自己言及ネタがあっ…

2009年秋の新作アニメ感想(その1)――『にゃんこい!』と『けんぷファー』

新作アニメ、『にゃんこい!』と『けんぷファー』を見てみた。 まず、『にゃんこい』だが、これはかなりいいんじゃないかと思った。僕は、いつも、アニメ作品というものをトータルな観点から見ていて、もちろん個人的な好みというものはあるが、作品全体のバ…

『黒神』の感想

『黒神』のアニメを最後まで見る。 この前少し書いたけれども、『黒神』はなかなか面白い問題を提起していたので、非常に楽しんで見ることができた。 しかし、最後のほうは、ドラゴンボール的なバトル展開だったなあ、と。まあ、この作品の見所的なところは…

もう秋か…

またいつものように、前クールのアニメを十分に消化し切れないまま、新しいクールを迎えることになった。 前クールで最終回を迎えたアニメで見終わったのは、『シャングリ・ラ』、『化物語』、『真マジンガー』の三作品くらい。 『シャングリ・ラ』は、『咲…

交換可能な生としてのレプリカの生――アニメ『テイルズ オブ ジ アビス』について

2008年10月から2009年3月にかけて放送されたアニメ、『テイルズ オブ ジ アビス』について、ちょっと思うところを書いてみたい。 このアニメの原作は2005年に発売されたゲームであるが、僕は未プレイである。 ゲーム原作のアニメ作品にありがちであるが、ゲ…

「エンドレスエイト」から立ち上がってくる倫理――平行世界の確率論的な倫理について

先日まで、『涼宮ハルヒの憂鬱』のアニメにおいて、八回にわたって、「エンドレスエイト」のエピソードが放送されたわけだが、ネットでの議論を少し見た限りでは、同じ内容の話を何度も繰り返して放送することに対する賛否が主に話されていて、物語内容につ…

アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の新エピソード「エンドレスエイト」が素晴らしすぎる

『ハルヒ』のアニメを見ていない人がいるのなら絶対に今すぐ見るべき。少なくとも「エンドレスエイト」だけは見るべき。騙されたと思って見るべき。 僕の中では、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に対する関心なんて、「エンドレスエイト」の前に吹き飛んで…

生きがいとしてではなく緩く生きるために『けいおん!』を見る――ロスジェネ世代であるよりもむしろエヴァ世代として

先週、『バトルスピリッツ 少年突破バシン』のアニメについて少し書いたが、そこで書いたことを自分なりにもう少し発展させてみようと思う。 先週あの記事を書いているときにはあまり意識していなかったが、僕は、あの記事で、対立関係をことさらに構築する…

アニメ『少年突破バシン』の緩くて狭い世界

いつも見ている『バトルスピリッツ 少年突破バシン』についてちょっと書いてみたい。 それにしても、もう40話近くまで放送されているのに、話があまり進んでいないというか、進んでいるにしても非常に緩慢な展開なので、このあとのラストに向けての展開の中…

グロいものについてちょっと考えてみた

ネットを徘徊しているといろいろなものに遭遇するわけだが、たまに、俗に言う「グロ画像」と遭遇することがある。遭遇したくないときに、こういう画像を見ると、かなり気分が萎えてしまうが、しかし、ごくたまに、グロ画像を積極的に見てみたくなるときがあ…

『グイン・サーガ』の思い出

栗本薫が亡くなったということに僕も少なからぬ衝撃を受けたが、しかし、僕が『グイン・サーガ』を読んでいたのは随分昔のことなので、そういう点で言えば、受けた衝撃は小さいものだと言える。何というか、『グイン・サーガ』を夢中になって読んでいた昔の…

『宇宙をかける少女』は個人的には気に入っているんだけれども

かなり溜まっていた『宇宙をかける少女』を何話か消化。 この作品、ネットでちょっと調べてみたけど、基本的に評判の悪い作品なんだろうか。 別にアニメーションとしてのクオリティが高いとは僕もまったく思っていないのだが、個人的にはこの作品はちょっと…

神山健治とネットワークの思想

神山健治関連のアニメをまだいくつか見ているのだが、神山は、ネットワークというものを描き出そうとしているアニメ作家ではないかという気がする。『攻殻SAC』で描かれるような情報ネットワーク(サイバースペース)だけが問題なのではない。ネットワークと…

言葉のない世界が生み出す言葉――ゲーム『ゆめにっき』について

知っている人は知っているだろうが、『ゆめにっき』というフリーゲームがあって、遅ればせながら僕も去年ぐらいにはまって、この作品についていろいろと考えたりしたのだが、そのときはこの作品について何か書いたりはしなかった。それが昨日ふと、この作品…

『涼宮ハルヒの憂鬱』を改めて見て思ったこと

噂の「笹の葉ラプソディ」を見た。『ハルヒ』二期の評価についてはもう少し見てから判断を下したいところだが、このエピソードだけを見た感想を言えば、『ハルヒ』はやはり面白いなあ、という極めて素朴なものである。 しかし、アニメの『ハルヒ』の面白さと…