『黒神』の感想

 『黒神』のアニメを最後まで見る。
 この前少し書いたけれども、『黒神』はなかなか面白い問題を提起していたので、非常に楽しんで見ることができた。
 しかし、最後のほうは、ドラゴンボール的なバトル展開だったなあ、と。まあ、この作品の見所的なところはどうしてもそっちのほうになってしまうのかも知れないし、アニメの描写としても、バトルのほうが当然メインだろうなあ、と(米たにヨシトモが絵コンテと演出を担当した回(21話)などはかなり面白い描写があって非常に良かったと思う)。
 バトル描写についても以前少し書いたことがあったが、この作品を見ていると、いつも、ある種のゲーム性というものについて考えさせられる。バトルの描写のうちにもゲーム的なものを感じさせられるが、物語の展開の上にもゲーム的なものを感じた。つまり、「これがこのイベントの中ボス的な存在で、こっちのほうがボスか」とか、「ラストダンジョンは長いなあ」とか、「やっぱりラスボスは第二形態くらいまであるよね」とか、そんなことを思った、ということである。
 そもそもゲーム作品がそれ以前に他ジャンルにあった何か、場合によっては何かアニメ的なものを取り込んでいるというような循環的な関係を見出すこともできるかも知れないが、ゲームというものがアニメにもたらした動きの面での影響、あるいは、ヴィジュアル面での影響などについて考えてみるのは面白いかも知れない。