2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『孤独のグルメ』と現代人の生活(その5)――生の根本的な要求としての空腹、都市の軋みとしての群衆の声

今回は、まず、『SPA!』2008年1月15日号に載った『孤独のグルメ』の特別編から話を始めたい。 この特別編の舞台は病院である。つまり、病院食を食べる井之頭五郎の姿が(半ばパロディ的に)描かれるわけである。これまで、この『孤独のグルメ』論で問題にし…

『孤独のグルメ』と現代人の生活(その4)――都市の背景になるということ

『散歩もの』のコンセプトとは、言ってみれば、ひとりになると見えてくるものがある、ということである。別段、『散歩もの』の上野原譲二は孤独ではない。彼には妻がいるし、会社の同僚もいるし、昔馴染みの友人たちもいる。しかし、こうした人たちと話をし…