2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『耳をすませば』について(8)

前回は、再会という主題から出発して、『耳をすませば』に見出すことができる恋愛の主題を問題化した。恋愛において再会という要素がそもそも本質的である、というのがそこでの話である。それゆえ、『ラーゼフォン』で描かれていたような二度目の恋愛(一度…

『耳をすませば』について(7)

前回は、再会という主題から『耳をすませば』という作品を見ていった。『耳をすませば』という物語、とりわけ、雫の書いた「耳をすませば」という物語において、重要なテーマになっていたのは、この再会という主題である。 さて、今日もまた、この再会という…

『耳をすませば』について(6)

前回は、『耳をすませば』から少し離れて、『トップをねらえ!』などの作品を取り上げながら、セカイ系的な問題構成、とりわけ、再会についての問題を扱った。再会は、記憶と時間に関わる出来事である。誰かとの再会が可能であるためには、その誰かと一度会…

『耳をすませば』について(5)

前回は、アニメの『耳をすませば』とマンガの『耳をすませば』とを比較することによって、雫の創作活動がどのような意味を持っているのか、ということを問題にした。アニメにおいて、雫の「書く」という行為には、試しという側面が非常に強いものであった。…