2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

キャラクターの存在論――『つよきす』のアニメに関連して

この前、アニメ『つよきす Cool×Sweet』の最終回を見たので、それに関連して、『つよきす』のアニメに関して少しコメントしてみたい。 『つよきす』のアニメには、何というか、古き良きアニメの香りがする。80年代くらいのアニメやマンガ作品の影響の下に作…

未来の時間――幸福とは別の観念について

物語と日常生活との関係はどのようなものだろうか? 物語と日常生活との間には大きな溝がある。物語の中では日常生活において起こりえないことが起こりうる、ということが決定的な断絶なのではない。日常生活は、物語に比べると、あまりにも無意味であるとい…

終わる予感と終わらない物語

劇場版『うる星やつら』の第5作目である『完結編』を見た。この作品は、何でも、原作のマンガの最終巻をアニメ化したものらしい。従って、この『完結編』は、『うる星やつら』の公式的な最終話だと言っていいのだろう。 物語は、そこで、原点回帰をしている…

スティグマのない肉体をどのように使用すべきか?

アニメやマンガにおける転校生の役割とはどのようなものだろうか? 転校生には、簡単に言って、二つの種類があるように思える。ひとつは、主人公が転校生で、新しい学校に主人公が通うことになるパターンと、登場人物のひとりが転校生で、主人公の通っている…

『ガラスの艦隊』の放送打ち切りに関して

『ガラスの艦隊』が、テレビ朝日で、最終回一話前で放送終了した件について、思ったことを少し書いてみたい。 いったい、どうして、こういうことになってしまったのか、事情はよく分からない。公式サイトには、放送終了の告知だけはあるが、なぜそういうこと…

世界の背後にある機械――『恋する天使アンジェリーク』

『恋する天使アンジェリーク』のアニメを見ていて、少し思ったことがある。それは、現在のわれわれにとって、機械という観念が果たしている役割とはどのようなものなのか、ということである。 『アンジェリーク』のストーリーは、普段あまり真剣に見ていない…

アニメとマンガの相互関係

以前から思っていたことだが、アニメとマンガとは、相互補完的な関係というか、互いが互いを映し出す鏡のような関係であるように思える。 まず、マンガはアニメ的である。これは、何よりも、手塚治虫のマンガについて言えることである。手塚治虫のマンガとは…

真下耕一が作るアニメの特徴

真下耕一の作品の特徴とは、その緩やかなテンポにあると言える。真下作品で特徴的なのは、風景描写と音楽の使い方で、登場人物たちの台詞は、そうした風景の描写やBGMの中に、言ってみれば、埋没してしまう。 真下耕一の作品は、例えば、大地丙太郎の作品と…