2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『機動戦士Zガンダム』と大衆の問題(4)

前回は、シャアというキャラクターに注目していくことによって、『機動戦士ガンダム』という作品が、いかに、従来のような善悪二元論的な図式を回避しているか、ということを見てきた。今日はまず、そのような善悪二元論的な物語を回避した結果、『ガンダム…

『機動戦士Zガンダム』と大衆の問題(3)

『機動戦士ガンダム』の対立図式を明確にすることは、極めて困難なことである。この点こそが、『ガンダム』という作品が、単純な善悪二元論に回収されない作品である、ということを端的に示している。今日は、その点を、もっと明確にしてみたい。 そもそも、…

『機動戦士Zガンダム』と大衆の問題(2)

さて、前回は、富野由悠季が、単純な善悪二元論的な発想に対して、そこに亀裂を生じさせるような作品(『無敵超人ザンボット3』)を作った、という話をしたわけだが、今日は、その帰結が『機動戦士ガンダム』という作品を生み出したということを示してみたい…

『機動戦士Zガンダム』と大衆の問題(1)

今日、劇場版『機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者』を見てきた。僕は、以前から、TVで『Zガンダム』の再放送を見ているので、今回この劇場版を見ても、取り立てて、感慨を抱くことはなかった。TV版のダイジェストを見ている感じだった。従って、今日は、映画の感…

ナイーブという名のリアル

前クールにTVで放送されていた二つのサブカルチャー作品、アニメ『ファンタジックチルドレン』と特撮ドラマ『シブヤフィフティーン』には、奇妙な共通点がある。それは、仮象にこだわる、という点である。 昨今、ブームになっている純愛ものでは、常に、こ…