2010-01-01から1年間の記事一覧

『アニメルカ vol.3』に寄稿した件について

vol.2に引き続いて、vol.3にも書かせてもらいました。今回書いた文章は、「キャラクターの不定形な核――『鉄腕アトム』から『新世紀エヴァンゲリオン』へ」というもので、タイトルに示されているように、手塚治虫論とエヴァンゲリオン論とが融合したような文…

『セキレイ』に見る関係性の問題

現在、『セキレイ』のアニメの二期が放送されている(『セキレイ〜Pure Engagement〜』)。『セキレイ』の一期が放送されていたとき(2008年夏)、僕は、この作品を見ながら、関係性というものについていろいろと考えていた。そして、今、二期を見ていても、…

アニメーションにおける風景の問題

この前、『ニルスのふしぎな旅』について文章を書き、そこで僕はこのアニメの自然の風景について指摘したわけだが、この自然の風景は、当時のアニメーションにおいては、アメリカ的な都市の風景、つまり、消費社会的な当時の日本の風景に対する一種の対抗軸…

『ニルスのふしぎな旅』についてのメモ

『ニルスのふしぎな旅』のアニメ(1980-1981年、スタジオぴえろ、チーフディレクター:鳥海永行、全52話)を最終回まで見た。 このアニメ作品では、動物の動き(とりわけガンたちの動き)が描出されている。動物の動きを描出すること、ある種の自然を描き出…

『アニメルカ』誌に寄稿した件について――2010年も半ばを過ぎて

『アニメルカ vol.2』に寄稿した。 『アニメルカ vol.2』目次(アニメルカ公式サイト) http://animerca.blog117.fc2.com/blog-entry-14.html 『アニメルカ vol.2』目次+夏コミ販売告知(反=アニメ批評) http://d.hatena.ne.jp/ill_critique/20100809/128…

「私はここにいる」――『涼宮ハルヒの消失』に見る肯定の思想

(ネタバレ大いにあり) 今月の6日から公開されている劇場アニメ『涼宮ハルヒの消失』。僕は初日に見に行ってきたのだが、感想をブログに書くのはしばらく控えようと思っていた。何というか、考えがまとまるための熟成期間がしばらく欲しいと思っていたので…

偽者として生きるということ――『魔法少女リリカルなのは』に見る現代的な不安

フロイトは「精神現象の二原則に関する定式」という論文の中で次のような奇妙な夢を報告している。 ある男が父が長いあいだ苦しんだ不治の病気を看病したが、父の死んだ翌月に何回も次のような夢を見たという。父がまた生きかえって、昔のように彼に話をして…

出来事のない世界――反RPGとしての『ゆめにっき』

言葉のない世界が生み出す言葉――ゲーム『ゆめにっき』について http://d.hatena.ne.jp/ashizu/20090524#1243184056 以前、フリーゲームの『ゆめにっき』について感想を書いたことがあったが、もう少し内容に踏み込んで書いてみたいと思ったので、ちょっと書…