2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧
『モノノ怪』の「化猫」というエピソードで問題になっているのは、個々人のささやかな利己心や無関心が、あるひとりの人間を絶望的な状況に追いやるということである。個々人の意識の上では、他人の利益を損ねたり、他人を悲惨な状況に追いやることなどとん…
現在放送中のアニメ『ブラスレイター』は、暴力とコミュニケーションを巡って、様々な問題を提起している作品だと言える。暴力とコミュニケーションとの関係は、端的に、こう言えるだろう。話すことができないとき、話すことが無力であるとき、そこに暴力が…
いわゆる「日常系」というジャンルに『らき☆すた』も含めることができるだろうが、しかしながら、そこでひとつの作品ジャンルとされている「日常」とはいかなるものなのか、「日常」という言葉の内実とはどのようなものなのか、ということがひとつの問題とな…
セカイ系作品はこれまで多くの批判にさらされてきたと言えるが、セカイ系を批判するときにしばしば持ち出される言葉がある。それは「閉鎖的」というものである。「セカイ系」という言葉の定義の一部をなしている、社会的な領域の欠如という特徴が含んでいる…
共通前提の崩壊の問題と不快な他者の侵入の問題との間には密接な関係があるように思える*1。つまり、他者が、たとえ善意からだとしても、何か介入的な行為をしたときに、そうした行為をひとつの越権行為、自分を害するために行なわれた攻撃的な行為と見なす…