2009年秋の新作アニメ感想(その4)――『そらのおとしもの』

 これは、なかなか好感の持てる作品だった。
 何というか、作品の落ち着きどころというか、あるギャグ作品がいったいどこまで日常から離れ、どこで再び日常に戻ってくるのか、といったような兼ね合いが非常に上手く取れている作品だと思った。
 話が進むに連れて、もしかしたら、話の規模が大きくなってしまうのかも知れないが、現在(2話)までのように、小さい規模のままで話が進むのであれば、作品のバランスは非常にいいんじゃないかと思う。
 僕はいつも、作品の舞台がどこになるのか、作品の風景がどのように描かれるのかというところに注目してしまうのだが、『そらのおとしもの』の田舎の風景は、それ自体で何かを語っているように思える。つまり、そこがバランス感覚だと思うのだが、一方で非常に大きな規模の出来事が起こりそうな予感があり、他方でそこでの出来事がささやかなレベルに収束していってしまう、この大きくなりすぎない話の展開を盛る器として、田舎という舞台は極めて適当ではないかと思ったのだ。
 ネットで少し話題になっていた、第2話のエンディング(パンツが空を飛ぶエンディング)を見ながら、僕はそういうことを考えていたのだが、このエンディングは、一方においては、そこで生じた出来事の大きさを示しているように思える。第2話全体から考えるのなら、そこでの物語は非常に小さな、ささやかな物語だと言えるだろうし、幼なじみとの思い出という小さな場所に帰着する話だろうが、作品の中で描かれている出来事のうちにはやはり過剰なものが存在しているのであり、その過剰さのひとつの出口として、全世界を飛び回るパンツというあのエンディングが位置づけられたように思える。
 別に、作品を構成している要素なりキャラなり話の展開なり、といったところは、すでにある様々な作品からのパッチワークという印象を受け、そこに目新しさはないわけだが、それらの要素の配置のし具合と、そのバランス感覚が優れている作品であるように思えた。