神山健治作品をいくつか

 『精霊の守り人』を7話まで見る。ちょっとした必要があって、最近、神山健治関係のアニメをいくつか見ている。『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』も8話まで見返した。
 『守り人』は、ファンタジー作品というところで少し偏見があったので、これまで見るのを忌避していたところがあったのだが、思い切って見てみると意外と面白いというか、これはかなりいいんじゃないかと思った。特に主人公の女性が30歳で、ある種、母親的な立場に立たされるところが面白い。これもまた家族をテーマにした作品なんだなあ、と。
 母親でバトルアニメと言えば、『ウィッチブレイド』なんかがあったけど、『ウィッチブレイド』のほうは、母娘関係が最初にあって、そのあとに母親がバトルに巻き込まれるというものだったが、『守り人』のほうは、もともと武人だった女性が母親的な立場にいきなり立たされるという、そういうプロセスの違いみたいなものがあるように思える。
 もう少し考えを推し進めてみれば、『ウィッチ』のほうは、娘を守るために母が闘うという、守るというところが先に来ているのに対して、おそらく、『守り人』のほうは、だんだんと、自分の中にある母親的なものに気がついていくという、そういうプロセスが描かれるのではないかという気がする。この先をちゃんと見ないと分からないけれども。
 それにしても、見返してみて思ったのだが、『攻殻SAC』は神がかっている。単にアニメーションのクオリティが高い作品ならいろいろとあるだろうが、たまたまいくつかのパーツがぴったりと合うことによって生まれる神アニメというものがあるように思える。2002年の時点で、「攻殻機動隊」というパッケージで、Production I.Gが制作で、監督が神山健治と、例えば、こんなふうなパーツである。
 笑い男のエピソードなんかは、別に、「攻殻機動隊」という枠組でやる必要はなかったかも知れないが、「攻殻」という枠組でやることによって、笑い男のエピソードがよりよく活かされるというか、面白さが倍増するというか、そういうところがあるので、これは神アニメだなあ、と思ってしまうわけである。
 『攻殻SAC』や『守り人』については、『東のエデン』と見比べて、もう少し、いろいろと考えてみることにしたい。