社会

日常の彼方としての異世界

前回は、世界、社会、「私」という三つのタームの諸関係を扱った。今回も、これら三つのタームの諸関係を扱っていきたい。 ここで僕が問題にしたいこと、それは、現在のわれわれの世界観、現在の様々なサブカルチャー作品に見出すことができる世界観とはどの…

カーニヴァル化する社会と現代アニメ

鈴木謙介の『カーニヴァル化する社会』という本を読んだ。この本の著者は僕とほとんど同い年なので、そこで提出されている問題については、いちいち、納得させられるところがあった。その点に関して、今日から数回にわたって、現代のアニメーションと関わら…

ニート、曖昧なカテゴリー

玄田有史+曲沼美恵『ニート』(幻冬社)を読んだ。ちょっと物足りない本だった。山田昌弘の『希望格差社会』を読んだときも物足りなさを感じたが、この本は、それ以上に物足りないものだった。 この本をざっと読んでみて分かることは、「ニート」というカテ…

21世紀のビジョン

生死の意味づけの問題を今日も追究したい。 昨日は自己犠牲的な死について少し述べたわけだが、この死のイメージの背後には「有用性」の観念がある。つまり、他人のために死ぬこと、自分の命を他人のために役立てること、それがその人の生死に意味を与えるの…